2011年09月06日

メディアの危うさ・・・

きのうの朝刊にこんな記事が。

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震災直後にその機能を大阪に移し、約2か月後に東京に戻ったドイツ大使館は、当初に本国に避難した職員やその後の補充職員たちが東京赴任を拒否しているという。

ZDFなどの公共放送が原発事故と放射能の恐怖を繰り返し報ずる中、政府職員まで「東京には住めない」と本気で思っているようだ。

「ウソも100回繰り返せばホントになる」と言ったのはヒットラーの腹心、ゲッペルス。

宣伝相だったゲッペルスたちが「ユダヤ民族は劣等だ」と主張し続けた結果、20世紀最大の悲劇「ホロコースト」が起きた。




むかし学生運動が激化した頃、ある大学教授が2本のビデオを制作し、それぞれ数十人のA、Bふたつのグループに見せた。

Aグループには学生が角材で機動隊をめった打ちするビデオを。

Bグループには機動隊が警棒と催涙ガス銃で学生を蹴散らすビデオを。

いずれのビデオにも襲われる側が血だらけで逃げまどうシーンが。


見せたあと「学生、機動隊どちらが悪いと思いましたか?」と聞く。

Aグループは学生が、Bグループは機動隊が悪いと答えた。

この反応は当然だ。

なぜならば、この結論を導きだすために作られた実験ビデオだからである。

「編集」によって世論は動かせるのである。




ご覧になった方も多いと思うが、8月半ば、つまり終戦記念日の頃に放映されたNHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」では開戦の責任の一端はメディアにもあるとしていた。

これまでメディアは軍部の圧力下で「やむなく」翼賛記事を書いたいわば「被害者」と思われがちだった。

しかし、番組は当時一紙が「中国打つべし」と書くと他紙もさらにエスカレートした背景には部数拡大競争があったと指摘していた。

そうしてつくられた「世論」に実は軍部も引きずられたという。

満州事変はそんな中で起きた。




震災直後のドイツのニュース週刊誌Stern誌(3月24日号)の表紙は浮世絵、舞妓、侍、自衛隊の合成写真でタイトルは「驚くべき国民」だった。

記事は神風特攻隊、ハラキリ、赤穂浪士の話から一人ジャングルで戦い続けた小野田少尉の物語まで・・・。

集団のために自己を犠牲にし、苦しみに慣れ、感情を抑えることを学ばされた国民であるらしい、が結論。

我々も外国のことを語るとき、同じような「おかしな」ことをやってはいまいか。




メディアの使命は事実を伝えることだが、情報が少ないと憶測が入り、そこに「こうすべき」論が加わると世論を動かし始める。

また、電車の吊り広告や本屋の店頭では断定的な見出しの週刊誌の方に消費者の目がいく。

ARD、ZDFの2大公共放送に多くの民放が加わって視聴率獲得競争を繰り広げているドイツのメディア各社は、「歯切れのいい表現」を通じて生き残りをはかっているのかもしれない。




メディアだけでなく、ネットを通じて情報が大量に入ってくる時代・・・。

「きちんとウラをとる取材しているか」、「結論が先にありき」ではないか、など一歩引いた視点でこれらのひとつひとつを読み解きたいものだ。

posted by kathy at 21:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 思う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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